検証 / 照明を変える
照明の指定だけで、写真はどこまで変わるか
指示語辞典の「照明」の表が実際に効くかを確かめる。被写体・服装・構図・レンズはすべて固定し、照明の1行だけを差し替えた。
共通のベース(全条件で同一)
30代の人物のコーポレートポートレート。濃いチャコールグレーの背景。 85mmレンズ、f/2.8、胸から上のバストアップ、正面やや斜め。
照明だけを変える
照明はソフトボックスを使った3点照明。キーライトは左45度から柔らかく、フィルライトで影を1段起こし、バックライトで髪の輪郭を分ける。清潔で商業的。企業サイトに載る顔写真の光。
照明は左斜め前方の窓からの自然光1灯のみ。それ以外は深い闇に沈める。顔の右半分は完全に暗く落とす。全体は確かに暗く落ちた。ただし「顔の右半分を完全に暗く」までは通らず、顔は均等に照らされたまま。
照明はゴールデンアワーのバックライト。輪郭が暖色に光り、正面は影側になる。情緒的。輪郭が光り、空気が入る。分かったこと
方向性は動くが、指定しきれなかった。暗さと空気は明らかに変わった一方、「顔の半分を完全に落とす」という極端な指定は反映されなかった。ベースに書いた「コーポレートポートレート」という枠が強く、モデルはそこから大きく外れない。照明を大きく振りたいなら、ベースの用途そのものを変えるほうが早い。——これは用途の検証と表裏で、いずれも「先に書いた文脈が後の指定を縛る」という同じ現象だった。
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